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今は二人だけじゃないのに……。
准君が甘い。
「寿々、どう?気に入った?」
「え、あ、うん……これを見た感じでは」
柿栖さんの瞳が明るく光ったから、即決ではないことを伝えた。
営業マンの彼だから上手く隙間から入りこまれそう。
「じゃあ今度、モデルルーム見せてもらう?」
柿栖さんが「ぜひ」と乗るから、私は頷いた。
柿栖さんがいたのは1時間ほど。
「突然ごめんね、寿々」
柿栖さんが帰ると、准君が私の頭を優しく撫でた。
「全然。准君のお友達だから」
「ありがとう」
「うん。でも……」
「ん?」
「恥ずかしかった」
准君は柿栖さんがいる間、私の頭や頬を撫でるうえ、テーブルの下では手を繋がれた。
きっと柿栖さんも気がついていたはず。
「准君、二人の時みたいに私に構うんだもん」
口元を膨らませると、准君は私の膨らみを二つの指で押さえた。
“ぷっ”と空気が漏れる唇を彼のもので塞がれる。
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