好きになった方の負け-2

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今は二人だけじゃないのに……。 准君が甘い。 「寿々、どう?気に入った?」 「え、あ、うん……これを見た感じでは」 柿栖さんの瞳が明るく光ったから、即決ではないことを伝えた。 営業マンの彼だから上手く隙間から入りこまれそう。 「じゃあ今度、モデルルーム見せてもらう?」 柿栖さんが「ぜひ」と乗るから、私は頷いた。 柿栖さんがいたのは1時間ほど。 「突然ごめんね、寿々」 柿栖さんが帰ると、准君が私の頭を優しく撫でた。 「全然。准君のお友達だから」 「ありがとう」 「うん。でも……」 「ん?」 「恥ずかしかった」 准君は柿栖さんがいる間、私の頭や頬を撫でるうえ、テーブルの下では手を繋がれた。 きっと柿栖さんも気がついていたはず。 「准君、二人の時みたいに私に構うんだもん」 口元を膨らませると、准君は私の膨らみを二つの指で押さえた。 “ぷっ”と空気が漏れる唇を彼のもので塞がれる。
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