神様が通る

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 いわゆる、一目惚れだった。  入学式の日、桜の木の下で佇む彼女。薄いピンク色の花びらが風に舞い、彼女の長い黒髪も風に揺れていた。花にそっと伸ばされた白い腕と、真剣に見つめる横顔。絵画のようなその雰囲気に、呑まれた。それが、最初だった。
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