全てが4月1日の罠だ

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桜の花が満開になった。 珍しく、無情な春の嵐に散らされることもなく、毎日穏やかな晴天だ。 ほんの少し霞んだ空に向かって、若い枝たちが競って可憐な花をつける。 花、花、花、くつした。 何故か枝の先に黒いくつしたが引っかかっている。 飛ばされてきた洗濯物ならまだいい。 だが、どうみてもクシャクシャである。 1日どこかのお父さんの靴に押し込まれて蒸れ蒸れに違いないやつだ。 桜の気持ちになってみよう。 「咲かせて下さってありがとうございます神さま、せいいっぱいのお花を届け……うぐっ私が何をしたと言うのですこんな酷い……」 この世の終わりである。 私ならグレる。 どうでもいい妄想は尽きない。image=509714989.jpg
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