プロローグ・惑星センリーにて、中武大

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 中武は今マザーの謁見の間。昔はセンリー人が政府を運営する為に集まり、議事を行った議会場といって良い場所にいた。 広いエントランス、何も無いような壁に マザーのオブジェの様な 肌色と言うよりは黄色い柱の前にいた それは祭壇の様でもあり またパイプオルガンの 沢山のパイプが立ち並ぶ景色に良く似ていた だがその、夥しい柱と言うかパイプに 見える物には穴はおろかスイッチも モニターも何もなかった ただの石のオブジェに見えるものだった 中武はその装飾とも取れる壁から 数メートル離れた所に 荷物やら小さな机やらを持ち込み (マザーが出した) そこを、住みかとしていた かれこれ3年にもなる 以前は近くに家を建ててもらって住んでいたが (突然数分で現れた物質変換器によって) 地球人の中武はマザーと離れているよりは ピエールの事を話すのに便利だと (家でも不便ではない) ここに住み着いたのだ 彼の回りには数人のヒューマノイド (バイオノイド)が、いい加減で粗野な 中武の身の回りの世話をしていた 中武は今、朝飯を食べていたのだ 「ねぇ~、マザー、俺がここに来て何年経つ?」 中武はパンを頬張りながら聞いた すると、突然壁からマザーの声がした 「3年か4年かね地球の時間でね」 中武はブスッとして 「顔!」 と叫んだ、すると 「面倒臭いんだよ、顔なんか」 と壁におばさんの様な御袋さん的な 女の人の顔が現れた。
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