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これは使えるかも知れないな、と私は
「すまんが、中で水かコーヒーを貰えないか
帰るまで待つ訳にもいかないのだが。
頼むよ歩きで来たんでな」
と言うと
「あなたには、長命族のラボの仕事が
あるでしょうに。カートを呼びますから
帰って下さい」
と少々怒って言った。
そう来たか、私は
「ありゃ、ダメだよ、ボケばかり、口先だけは一人前だがな」
見張りは意外そうに驚いた。
まさか私の口からそんな言葉が出るとは
思わなかったのだろう。
男は
「そんなこと言っていいんですか?
ゼルス様は怖い人ですよ。何とかしないと
殺されますよ、我々をA級市民にしたんだから長命族は要らないと言ってました」
と、何とも秘密をべらべら喋った。
私は笑顔のまま
「ムダムダ、まったく何だって私が
あんな厄介者を。自立できなきゃ、山にでも捨てろと言いたい、そうすりゃ、少しは
まともになるだろう。それにすぐ病気になるし、勝手に死にやがる」
私は少々過激だが、ほんの少し前
モーリスと出会う前の本心を吐露した。
見張りは
「分かりました大統領、中でコーヒーを
御出ししますよ。交代が詰めてますので
その者にカートを持ってくるよう連絡します
来るまでの間、家でお待ちください」
とニコッと笑って言った。そして
「あれは地球産じゃなく、センリーで作ったものですよ。苦労しました」
と言った。
私は門から敷地に入り、玄関へ行こうとすると
「リーダー、裏でこそこそしていた
二人を捕まえました」
とモーリスとイチローが銃を突き付けられ
やって来た。
クッ、バカな……。
そして、裏の男は
「こいつら、こんなものを持ってました」
と麻痺銃を見せた。
そして私の顔を、リーダーと呼ばれた男が
睨んだ。私は1歩手前に出て、二人の前に
行くと、内ポケットから麻痺銃を出し
モーリスを撃った。
ビシュン、あまり大きくない音と光線が
出てモーリスに当たった。そして
「うっ」
と言って倒れた。
二人の見張りは私に銃を向けた、
私は軽く手を挙げ攻撃の意思は無いと
示しながら
「だから言ったろイチロー!何でこんな所まで連れてきた!パラライザーで、すぐ大人しくさせれば良かったんだ」
と言うと
「これ、麻痺銃だ、こう言う徘徊長命族を
大人しくさせる為に作ったんだよ」
と銃を見せた、すると
「そうですか、我々はシールドを持ってますから、無意味の筈です。兎に角、銃を渡してください」
とリーダーが言うので
「分かった」
と私の銃を渡した。
シールドか、ゼルスめ、流石にそう言う所は
用心深いなと思った。
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