19人が本棚に入れています
本棚に追加
「シン、ミッキー何故?!」
私が驚くと
「参ったな、緊急連絡だ!ゼルス様に送れ
シグナルだ!」
と言うと、もう一人の男が機械のスイッチを
押した。そして
「大統領はここに」
と言って、二人して出ていってしまった。
スーパーイレブン相手に何秒もつだろうか?
外で大声で悶着しているのが聞こえた。
するとモーリスが起き上がり
「チャンスだな、どうやって二人を倒すか
考えていたところだ」
「流石、先輩、パラライザーの出力を最小に
していたので、僅かに痺れるだけなのに
気を失ったフリをするとは」
「まあな、君が銃に手をかけたとき、出力計が見えた。そう言うところは注意深くてな」
すると、イチローが
「えっ?芝居だったんですか?知らなかった
心配しましたよ、モーリスさん!人が悪い」
とおどおどしていた。
フフフと二人はニコッとイチローに笑顔を
送った。するとモーリスさんおもむろに
奥の扉に手をかけた。開けるとそこは
ドレスルームの様に見えた、ドレッサーや
クローゼットが見えた。
モーリスは中に入ると私達も入り
イチローが扉を閉め鍵をかけた。
頷くとモーリスさんは
「人と言うのは、中々秘密のスイッチの位置を変えないものだ。私は知らぬフリをしていたが、見ていたんでな」
とサイドボードの様な戸棚の横を、まさぐるとカチッとスイッチを押した。
すると、ボン!と床の一部が跳ね上がり
階段が僅かに見えた。
私はその床板を上に上げると蝶番で扉の様に
なっていた。
地下に続く階段があった。灯りが自動でついた。モーリスは私より先に入り、来いと
手招きをした。天井になる隠し扉は閉めずに
そのままにして我々は下へと降りた。
かなり深かった、2階分か3階分下りると
そこは格納庫だった。
灯りがついており、奥には機械がいくつも
並べられた部屋がガラス窓越しに見えた。
そしてカートが2台、1台は小さめの
オープンカータイプ。もう1台は以前見た
転送して宇宙船から戻った大型の屋根つき
カートだった。私は
「宇宙船は無いのでは?」
と聞くと
「そこのカートに見える大型の奴はシャトルだよ。しかも万能、ワープまで出来る。
いつもゼルスはそれでボロウに行っていた。
宇宙船で行ったと言うことは、ボロウだけでは無いな。何処へ行ったやら」
「えっ?これが!」
宇宙船としては超小型になるだろう。
これがワープ出来るとは、ゼルスの科学力が
計れて、凄いとしか思えなかった。
彼は破壊兵器以外なら、やはり神に近い技術を持っていると、認めざるを得なかった。
最初のコメントを投稿しよう!