センリー動乱

9/16
前へ
/353ページ
次へ
「新生ファザーだ。マザーのあった所の 縦穴の中に再生装置があったようだ。 それよりゼルスの連れていた息子あれは バイオノイドだ、ゼルスの息子ユーリーは プラチナの科学者として追放されている」 と簡単に説明した、ピエールは 「ほう」 と言ってモーリスを見た。 そして 「そちらの御老体は?」 と聞くと、モーリスが自ら 「君がピエールか、ファザーの解明者だな。 私の名はモーリス、私は君の先輩になる ゼルスの弟子だった男だ。今はゼルスの敵に なるのかもな」 ピエールは疑う目付きでモーリスを見た。 信じていないのだろう、又もやゼルスの手の者、我々を都合の良いように動かす為の駒 一手だと思っているのだろう。 だが、私は違うと思っていた。 私は 「この方は、十万年前の記憶のある人だ ピエール、プラチナの科学者の居場所が モーリスさんのお陰で判ったよ」 「えっ?!!」 流石に驚いたようだ。 そして 「何処だ?!」 と聞いた、私は 「何処かは未だだが、何処へ行ったかは 分かったよ。宇宙の果てだ」 「宇宙の果て?」 私はピエールに説明した。ピエールと二人の ロボットは私の話を注意深く聞いていた。 話し終わるとピエールは 「では、プラチナの科学者は四百歳しか 歳を取っていないと言うことか?」 「その通り。お前の送った、あのゼルスの 歴史書に描かれたセンリー人のままだよ、 多分な。四、五百年でセンリー人は変わらないだろう」 「そうか、それでか。ゼルスめ中々真実を 告げなかったのは」 「ゼルスに会ったのか?」 私が聞くと 「ああ、地球でな。リンダにマザーが大規模 通信を送ってな、そこにプラチナの科学者の 居場所のヒントがあると、奪いに来たので 私と中武はゼルスと取引をしたのさ」 ピエールはその内容を詳しく話した。 「ゼルスはここに戻ると?だが、ボロウに 行っているようだ。ここにはいない だが、緊急シグナルを短命族の見張りが 送ったから直ぐに戻るだろう」 と言うと 「ボロウ?奴め、まだあの星に。 成る程な、奴が大人しく引き下がったのは そのせいか。奴の切り札があるんだな その星に」 ピエールは考えていた 「中武は来るかな?来るな、間違いなく。 私のコンピューターのデーターにアンチシールド装置のものもあるから、直ぐにでも 来れるな、私がここにいると分かれば尚更か よし、ここで決めるぞ!」 とピエールは上へ上がろうとした。私は 「何をする気だ?」 と聞くと 「ゼルスを倒す。何にしてもユーリーが 戻ってきた時、奴がいると厄介だからな。 尤も倒せるかどうか?と言う問題もあるがな あはは」 私にはどうすることも出来なかった。 唯モーリスと二人で顔を見合わせるだけだった。 ピエールは宇宙船に戻ると シンとミッキーに 「例の爆弾をファザーの下に仕掛けろ。 侵入可能だな」 と言うとシンが 「はい、アンチシールドで可能です すぐ爆破を?」 と聞くので 「いや、いっそゼルスと共に消し去る つもりだよ。 さあ集まれ!パーティーの始まりだ」 ピエールはニヤニヤと笑っていた。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加