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その頃、地球にイチローは到着していた
月の側に転送されていたイチローは
直ぐ様、地球へと降下した。
イチローはこう言う乗り物の運転が得意だった。中武やマリアの乗る車のドライバーを
勤める事が多かったので、リンダのデーターから色々な乗り物の事を学んでいたのだ。
センリーの造るカート、シャトル、宇宙船は
大体、同じ様な操縦系統が多かった。
だから難無くイチローはリンダの船のある
山の中へと着陸出来た。
当然スーパーステルス装置を持つゼルスの
シャトルは地球人に発見される事は
一切無かった。
「ここだ、さて、どうやって入ろう?
兎に角連絡だ」
イチローは、この緊急事態に以前のように
簡単に宇宙船に入れるとは思っていなかった。
中武がスーパーステルスで隠している
宇宙船の横にシャトルを停めると、無線の
スイッチを入れた。それは異次元通信だった、相手が判らないと通信は受け取ってくれないものだ。
そこで地球でよく使う通常電波モードに
切り替えると
「リンダさん、イチローです戻りました!
転送してください!」
と地球人に傍受されても内容が分かりづらい
文章で言った。すると無線に
「イチローなの?今、地下格納庫に
転送します」
と言って、一瞬で転送された。
イチローはシャトルを飛び出すと
走ってエレベーターに乗った。
急速に上がるエレベーター、到着して扉が
開くと、イチローは驚いた。
厳重なセキュリティーで要塞のように
なっているかと思えば、そこは何処かの
ホテルの廊下の様だったからだ。
「変わったなぁ、中武の趣味?」
と呟き緊張が途切れると、イカン!と
廊下の一番手前の扉を開けた。
そこは誰かの部屋だった、と次、次と開けると
4番目のドアの上にリビングと
札が貼られていた。
「見るんだった、私室は書いてないのかもな」
と、開けて中に入って、更に驚いた。
そこは、まさにリビング、普通の部屋で
宇宙船にいると言うことを忘れる程
何処かの家のリビングだったのだ。
窓が1番異様だった、その窓のせいで
自分が地下にいるのを忘れてしまうのだ。
奥へ行くとソファーセットにマリアと中武
そして見知らぬ女性がいた。
すると、その女性が最初に立ち上がり
「お帰りイチロー、センリー星はどうなってるの、聞かせて?」
と言った、その声に聞き覚えのあるイチローは
「えっ?!まさかリンダさん??」
と聞き返すと、ニッコリ笑うその人は
両腕を広げて
「バイオノイドの身体持っちゃった、
あなたと一緒、先輩、御指導宜しくお願い
致します」
と言った。
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