センリー動乱

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するとマリアが 「チャーリーファルコン、ジェームスライト……。火星でピエールの船に連れ去られた 地球人です。何故ダイアンの軍隊に?!」 「えっ?!そうなのぉ~、地球人なの?」 俺は話には聞いていたが、生きているか どうかは半々と思っていた。 ピエールは人の命を簡単に奪うから…… 「連絡しろ!こちら地球人、中武一派だとな!」 まさかテロ軍団と地球では認識されている、 中武一派を使う事になるとは、 人生とは分からないものだ。 するとチャーリーから 「ほう、噂に聞いた、テロリストの登場か。 ピエールを阻止しに来たのか、我々は君らを 葬る準備があるが」 と怖いことを言った。 もう、地球人同士で争っている場合か。 尤も今はピエール軍なんだろうけど と、俺は真剣な言葉を選び。 「違う、ピエールの仲間となり、ゼルスを 倒しに来た。それと同時にセンリーの解放だ。 私はセンリー人とも仲間と言える関係にある。 出来れば通して欲しい」 と言った。暫く間が空き。 「良かろう。現在、我々はアンチシールドが なく進攻できずにいる。君らで異次元シールドを破壊してくれれば、我々も助けに行けるのだがな。ピエールはまだその仕事に着手 していない」 と言った。 「了解、ゼルスの抵抗で撤退も考えられる。 その時センリー人を何人か救出したい。 異次元シールドは任せて欲しい」 「では、通りたまえ。尤もシールドがあるのだろうから、我々の攻撃など、ものともしなかったのだろうがな」 「いや、リニアガンは有効だ。シールドは エネルギー系には強いが、物理的な衝撃には 弱い。破壊できないまでもダメージは与えられる。ゼルスの艦隊が現れた時の参考にされたし」 「了解。では、御武運を」 我々は宇宙船のアンチシールドを発動して 転送した。一瞬でセンリー本星が目の前に 現れた。 「さて、何処に?攻撃は無いな、 無いのかな?」 と言うと、宇宙船のコンピューターが 「今のところ攻撃はありません。攻撃衛星も ありませんし、戦闘機やミサイルも飛んできません」 と報告があった。 「マリア、何処に降りよう?」 と俺が聞くと、マリアは感動しているのか 「まさか、宇宙からセンリーを再び見ることになるとは……。私は地球へあなたと行った時 もう帰るつもりはありませんでした。 地球を故郷とする覚悟であなたと共に 骨を埋めるつもりで出てきたのです」 俺はその重い言葉に、この人の思いが伝わってきた。俺ってマリアの事好きだったんだと 初めて気付かされた。 人の嫁さんだから仲間であるケントの嫁さんだから、手を出してはいけない、ちょっかいをしてはいけない、と心の奥底に、思いを沈めていたのだ。 須磨子さんの事もあった。 俺のせいで不幸にしてしまった。 俺の拘りで人生を振り回してしまった。 その思いがマリアの事を突き放す事になっていたのだ。 俺は女性を幸せに出来ない男と 勝手に思っていた。
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