君との出会い

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 「いつ見てもさ、花咲か爺さんの・・・といっても、爺さんっていうより、兄ちゃんって感じだけど、絵本に出てくる服みたいなの着て、ぼーっと木の上にいてさ、変な奴って思ってたけど・・・やっぱ、こうして触っても普通だし・・・ほんと不思議だよな、なんで、みんなには、見えないんだろ?」  本当にこれは不思議で、珍しい。少年に触られたところから熱が、強く握られたところから触感を覚えるなんて・・・まさか互いに、その存在を体感できるとは。  これには私も少し驚いた顔で、思わず触り返してしまった。通常ならば通り抜けるところが、なぜか少年の身体だけはしっかりと掴める。  「あんた、幽霊なの?」  「いや、私は木の精なんだ・・・といっても、気のせいだよ~、勘違いだよ~ではなく、木にいる妖精のほうの木の精っていったら、わかるかな?」  「そんぐらいわかるに決まっているだろ、あんた、名前、ナニ?」
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