0人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
直後。
膝の上が軽くなった。
ハッとして膝の上を見る。猫の姿は無く、視界の端に、コタツの掛け布団がもぞもぞと動くのが見えた。止めなきゃ、と手を伸ばしたものの、間に合わず、もぞもぞした動きが止む。
え……? うそでしょ?
まさか……だよね?
どうしようもなくてそのままコタツの様子を覗っていた。
数分後。
コタツの掛け布団がもぞもぞと動き出して、猫のしっぽが先に出てきた。
そして。
出てきた猫が咥えていたものは、人の足先だった。
思わずコタツから自分の足を引き抜く。
驚きに固まったままそのまま見ていると、猫はずるずると引っ張り続けて、コタツから男の人を引きずり出した。
いろんな意味であり得ない。
どうしろというの、こんなの。
っていうかなんでそんなことが。
ちょっとそこの猫ドヤ顔しないで。
それ何か獲物を献上されてる気分に――
ハッ、まさか。
昨日といい今日といい。そのドヤ顔は獲物(食べ物)を捕らえてきた(持ってきた)ことを褒めて欲しいアピールだったりするの?
……あれ? でも褒めた覚えは無いのにそれを繰り返すのはどういうこと?
最初のコメントを投稿しよう!