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翌日。
仕事から帰ってきて部屋の電気を点けると、コタツの上に猫がいた。
「!?」
黒い猫だ。
ちょこんと腰を据えて、こちらを見ている。
びっくりして固まっていると、猫は、にゃあん、と一声鳴いた。
ど、どこから入ったんだろう……。
施錠……は、ちゃんとされていたよね。今、鍵を開けてから部屋に入ったんだし。
もしかして……窓から………?
どこか開いていただろうかと出掛け間際のことを思い出しながら見て回る。が、どこも開いていない。
うん? 一体どこから入ってきたんだろう?
猫、謎の出現。
…………。……触りたいなぁ。
……って、そうでなくて。
思わず本音が出てしまったけれど、このアパート、ペット禁止なんだよね……悪いけど(惜しいけど)、外に出てもらおう。
私は仕事鞄をその辺に放り、空いた手で猫を抱き上げて玄関から外に出した。
「ごめんね」
小さい声で猫に詫びて、後ろ髪を引かれながらも玄関のドアを閉じた。
それから着替えてお夕飯を作り、食卓につこうとお膳に食事をのせてコタツへ向かったとき。
そこにさっきの猫が居た。
「!?」
不意打ちを食らう形で驚いたので、危うくお膳に載せた味噌汁をこぼしそうになった。
な……なんで?
さっき外に出したはず……。
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