こたつねこ。

　思わず玄関を見にいく。猫が開けられるはずの無い鉄製の扉だ。玄関から入ってこられる訳がない。窓も、あれからどこも開けてはいない。
　強いて言えば、夕飯を作る際に換気のためキッチンの窓を開けていたではあるが、網戸を閉めていたので入れる筈は無い。
　どういうこと？
　疑問に思いながらも卓上にお膳を置き、猫を再び外に出す。
それから食卓についたものの、また入ってくるんじゃないかと気にしながら夕食を食べ終え、お風呂に入った。
　…………お風呂を出たら居たりして……。
そんな(嫌じゃないけど)嫌な予感を抱きつつお風呂から上がってコタツを見ると。
「…………」
　居た。
　三度と猫は居た。
　流石に三度目ともなると、猫好きということもあってか驚けない。
　本当にどこから入ってくるんだろう。
　考えられるのは窓しか……あ。
　思いついて、まさかとは思いつつ玄関を見る。ドア――ではなくて、そこに付いている新聞受けを見た。
　もしかしてあそこから入ったんじゃ……。
　身体の柔らかい猫だ、あり得ない事じゃないかもしれない。
　ってことは、外に出してもエンドレスループするんじゃ……。