こたつねこ。

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 と。  急に猫が動いた。  私の膝から飛び降りて、コタツの中に潜り込んだ。 「えっ、ちょっ」  急に何?  って言うか、コタツの中って危ないんじゃ!?  慌ててコタツ布団をめくり上げようとして── その手を止めた。  勢いよく開けたら逆に驚かせちゃうかも……?  それで暴れて怪我をされたら本末転倒だ。  よし、ゆっくりめくり上げよう。  そう思ってそろりそろりとコタツ布団を上げていくと。  猫が出てきた。  ケツから。  ……なに、してるんだろう。  私はコタツ布団を上げる手を止めて猫の様子を眺めた。  猫はケツをふりふり少しずつコタツから出てくる。  うん? なにか引っ張り出そうとしている?  猫の頭の部分が盛り上がっているのは物理的に分かる。が、それに続いて大きな盛り上がりが徐々に出来つつある。それが異様な大きさだったので、気になってそのままコタツ布団を引き上げた。 「えっ」  不思議なことが起きていた。  猫が引っ張り出そうとしていたのは、ミカンが入っているカゴ。  その、カゴの縁を噛み咥えて、猫は賢明に引っ張っていたのだ。
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