第 1話 鳥追いの女

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 ピンポ~ン♪  突然の来客チャイムに。 「 いらっしゃ… 「 いらっ…  無人の店内で自動ドアだけが閉まってゆく。  2人揃って声を出しかけて同時に押し黙ってしまったことがなんか妙に気まずい。  高校3年の時からこの店でバイトを始めて2年以上になるが条件反射とゆうのは恐ろしいもので コンビニで買い物をしてて店員さんの「 いらっしゃいませ 」につられて何度か「 いらっしゃいませ 」と声を出した事がある。あれは死ぬほど恥ずかしい。 「 ドア壊れてるんじゃないですか 」 「 もしや霊的なあれかも 」 「 やめてくださいよ 泣いちゃいますよ それより時間がいいかげんとか曖昧とか何言ってるんすか 」 「 だぁからぁ 時間って思ってるほど正確じゃないって事だよ 信頼しすぎると足元を(すく)われかねない 」 「 いやいや 時間は正確でしょ じゃなきゃカップ麺も作れないじゃん 」     
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