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第 2話 始まりの始まり
有線放送が流れるコンビニエンス店内に3人の男女が対峙する。
「 あなたたち 少しは働きなさいよ 」
突然出現した謎の美少女は八島ユキ 都内私立校に通う高校3年生だ。1年生の時に病気で休学していたらしく、年齢は私、鳥迫月夜の1つ下になる。身長は155㎝くらいで私よりほんのちょっぴり小ちゃく、少し明るめのショートボブがとても似合っている。小さく整った顔のパーツに凛とした眼差しはクールで知的な印象を発していた。
八島ユキは何を隠そう私の唯一のバイト仲間なのだ。セブンスマートには現在従業員は私とユキの2人しかいない、この店はコンビニと言っても24時間営業では無く基本6~0時の営業でほとんどの時間を店長がフルスロットルで働き忙しい時間帯を私とユキで出来るだけ埋めるパターンが定着している。以前は他にも数名いた事はあるが私が高校を卒業してユキが入店してからはずっとこのメンバーだ。私が入る前には24時間営業をしていた事もあるらしいのだが深夜はお客さんも少ないし、なにより夜勤のバイトが見つからないらしい、募集をしてもカタコトの日本語の電話しか掛かってこないと店長はボヤいていた。
こんなんでよく店長の体がもつなぁと思うのだが ピーク時を過ぎれば基本暇なのでサボろうと思えばいくらでもサボれるのだ。夕方前に出勤したらお店が閉まっていて店長がバックルームでお昼寝していた事も何度かある。あと体調が悪い時や遊びに行きたい時なども平気で店休日にしてしまう。コンビニと言うよりコンビニ風個人商店と呼ぶべきである。
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