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「まあ今は二人が守ってくれると思うけど、あなたもいつかは自立しなきゃいけないんだから二人の戦闘記録を見たり、訓練を重ねることね」
「は、はい!」
トフィアは大きな声で返事をした。キラウェールは軽く微笑むが、すぐに辺りをキョロキョロと見渡し、何かを探し始めた。これにトフィアが質問する。
「…大尉?どうかされたんですか?」
「いや、シェスちゃんどこにいるのかなーって」
突然の話題の転換にトフィアはついていけなかった。だが、バディはキラウェールに合わせシェスを探し始める。
「…いないようですね。自室で休んでいるのでは?」
これを聞いていたケルーは膨らませていたガムを自分で割り、口を開いた。
「…っ。そんなのあの成り上がりに聞きゃあ良いんだよ」
そして大きな声で「おーい、成り上がり整備長―!」と叫ぶ。するとSPの足元から「誰が成り上がりだって!?このバカ!」と叫び声が返ってくる。
「あそこにいるっぽいな」
「バカには反応しなくていいのか?」
若干呆れた声でバディが聞く。
「別に。昔っから言われてますし」
ケルーはトフィアが持って来た飲み物を受け取りもせず、体の向きを変える。
「成り上がりが来たら面倒だから、俺は先にブリッジに行っときます。ガーデンさんよ、俺、それいらねーから」
言い残すとケルーは出口に向かって床を蹴った。トフィアは「は、はい!」と答える。これを見たキラウェールはトフィアに諭す。
「坊ちゃん…そもそもだけど、飲み物自体持ってこなくても良かったのよ?このままじゃただのパシリにさせられちゃうわよ?バズーカちゃんみたいなタイプの場合は特に」
「そ、そうですかね?軍では当然だと思ってるんですが…」
「どんなイメージだ…」
バディが呆れているとキャニーがやって来た。
「中尉、あのバ…少尉は!?」
「整備長から逃げるように出て行ったよ」
「あいつめ…」とキャニーが呟いているとキラウェールが口を開く。
「整備長、シェスちゃんは?部屋かしら?」
「へ?ああ、シェス君なら機体ですよ。大気圏突入用のデータを見てると思います」
「あら…それじゃあアタシの活躍見てなかったのね…残念…」
キラウェールは分かりやすく落ち込む。対してバディは軽く笑う。
「俺からすれば情けない姿を見られなくて安心ですがね」
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