第一章:建前

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 そして「さて…」とバディが切り替えようとした時だった。 「ミニク大尉!ちょっといいッスか!?」  ロクセルが叫んでキラウェールを呼び止める。 「あら…中尉、ごめんね。呼ばれたから報告は任せるわ」 「あ、大尉!飲み物を!」  既に床を蹴っていたキラウェールにトフィアは言うが 「まだ飲み終わってないから大丈夫よ~それに、これぐらい自分で捨てるわよ」  言い残すとロクセルに「なあに~?なにか問題あった?」と言いながら向かって行った。 「さて…ガーデン曹長、君もブリッジに来るか?なにかヒントになるかもしれんし、ファルグ艦長にもまともに会ったことないだろう?」 「あ、はい!」  バディと同時に床を蹴ろうとする。その時、キャニーが気づく。 「あれ?曹長もそれ飲んだの?」  キャニーはトフィアが持っていた飲み物を指さす。 「あ、いえ、キレカ少尉の物です。飲まれてはいませんが…」 「はぁ…あいつは…ちょうど良いからくれない?私、喉乾いてるの」  キャニーは呆れた声で言ったあとに手を伸ばす。 「え…でも」 「良いから、命令、命令」  と軽いノリで命令と言われてトフィアは戸惑う。 「命令らしい。聞いておけ」  とバディが軽く笑いながら言った。トフィアはその命令を聞くことにし、容器をキャニーに渡した。
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