第一章:建前

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「前回の防衛戦の時です。隊列が揃っていたのは大尉が速度を落としていたのかと思っていたのですが…」 「え?アタシは中尉達に合わせてたつもりだったんだけど…」  二人の意見が食い違う。だが、これで証明にもなった。 「つまりはそういうことだ。だが、それだけではない」 「名称の由来ですね…?」  キャニーの問いかけにウローラは頷く。スペック上の問題から疑念が深まっていた2人は初めより耳を傾ける。 「SPは英語の略称だ。その英語は[simple parts]。SPはその頭文字を取ったものだ」 「simple parts…単純、質素な部品、ねぇ…」  キラウェールが呟く。そこでキャニーは気づいた。 「だからスペアパーツや追加アーマーができるのが早かったんですね…」 「その通り。単純な部品だからこそ替えがきくのが早かった。そして質素な部品だからこそ無くなった所で何も影響は無い」  そこでバディが口を挟む。 「…それは子供だからですか?ですが、そうなるとグレイ大尉は…?」 「そこがシェス・ラックス少尉の過去にまつわる話だ」
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