第二章:孤独

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 大気圏を突破したSPのアーマーは、真っ黒に焦げきっていた。シェスは安全圏まで到達したことを確認すると、すぐにアーマーをパージさせる。アーマーは関節部分からパージを始め、全て機体本体から浮き上がった瞬間、一気に弾け飛ぶようにパージされた。  四方に弾け飛んだアーマーを横目で流しながらシェスは次に機体の制御に入る。パラシュートを展開させる前にまずジェット気流に流されないよう機体の制御をしなければならない。シェスはどこまでがジェット気流なのかは一切知らない為、全てデータ頼りである。  そんな中、シェスは先程のバディの言葉の意味を考えながら、不思議に感じる点があった。まずバディの言葉の意味。これは自分のような子供を戦場に参加させる事を反対していることだと思い、納得することにする。  不思議な点は地球に降りる事は初めてなのに、どこか懐かしさを感じたのだ。重力は基地やステイ、戦艦でも感じている。だが、それ以上のものを感じていた。  そんな事を考えていると、ジェット気流を抜けた事を知らせる音が鳴る。少し呆けていたせいか機体は少し降下ポイントからずれていたため、バーニアを噴かせ修正する。そしてパラシュートを展開する高度に達したところでパラシュートを展開させた。  降下していく周辺には雲一つなく、降下する大地はアフリカ大陸の南部、黄金に輝くナビブ砂漠であった。
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