第二章:孤独

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「お、あれか?」  基地滑走路では数人の兵士が揃って空を見ていた。言葉を発したのは[レイアン・ダリル]中佐。  レイアンはテクノカットの髪色はストーングレイ色で、身長が160センチ前後と他の兵士に比べるとやや小柄。だが、EⅧの中でも一番隊員の多い隊の隊長で、生産されたアウラーのパイロットに選ばれるほどの実力者でもある。年齢は38歳。 「ですね。今、パオガン司令からも通達がありました」  レイアンの隣のさらに小柄な少年が電子タブレットを片手に報告する。少年の名は[ディイス・ラックス]准尉。  ディイスの髪型はスライアルショートヘアーで髪色はバートンアンバー色。年齢は12歳。年齢が年齢だけあって、とてもあどけない顔立ちをしている。だが、特徴はまさに 「兄貴は無事に降下出来たみたいだな、ディイス。会うのは久々なんだろ?」  兄のシェスそっくりだった。ディイスはレイアンの問いかけに、笑みを浮かばせながら答える。 「そうですね、大体四ヶ月ぶりぐらいですから。同じ基地になれるのは嬉しいですよ」  その表情は年相応の無垢な笑顔であった。レイアンもつられて笑みがこぼれる。 「弟のお前がここの防衛の要でもあったから、兄弟揃えば鬼に金棒ってところか」 「そんな…ダリル中佐の指揮と皆さんのおかげですよ。僕一人の力なんて大したことありません」 「おいおいディイス、その歳で謙遜なんかすんなよ」  他の兵士たちがディイスをからかう。それでもディイスは謙遜を続ける。そんな中、レイアンが再び空を見上げる。 「おっと…全員、踏み潰されたく無かったら離れろーそろそろおいでましだぜ」  全員が空を見ると目視が出来るほどSPは降下していた。レイアンの言葉を皮切りに集まっていた兵士が四方に散り、ディイスとレイアンもロウラーの陰に身を隠した。
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