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「あ、そうだアンタは…」
「アンタじゃなくてあなた、な?一応中佐だぜ?俺」
階級を聞いてシェスはたじろぐ。そこで男は自己紹介をした。
「俺はレイアン。レイアン・ダリル中佐だ。一応隊長やってる」
手が差し出され、シェスはその手を握りながら自分も自己紹介をした。
「シェス・ラックス少尉ッス。で、弟の…」
「ディイスだろ?後ろにいるぜ」
レイアンが手を離し、後ろを指差す。そこには先程の注意した声の主であるディイスが立っていた。
「ディイス!」
見つけた瞬間、シェスは思わず声を上げて駆け寄った。ディイスも人の群れの中から出てきて歩み寄ってきたが
「兄さん、上官相手にあの態度はダメでしょ…」
近づいた瞬間に、ディイスが耳打ちをする。
「仕方ないだろ、そんな人だとは知らなかったんだからよ…」
シェスも顔が離れる寸前で耳打ちをする。そのままディイスの顔を見ると呆れた顔をしていた。
「再会のやり取りは終わったか?シェスにはここの司令と会ってもらわなきゃいけないんだがよ」
「あ、はい」
ディイスは手を離し、横にずれて道を開けた。
「こっちだ。ついてきな」
レイアンがシェスを案内するために前を歩き始めた。囲んでいる兵士たちも左右に分かれ道を作る。
シェスは言われた通り、レイアンの後をついていくことにした。
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