第二章:孤独

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 シェスはレイアンの案内でEⅧの司令室に来ていた。司令室は外と違い、冷房が効いており軍服をちゃんと着ている人間がほとんどだった。 「本日付で配属になります、シェス・ラックス少尉ッス。よろしくお願いしまッス」  シェスはいつもの口調で敬礼をしながら自己紹介をする。 「リム・パオガン准将だ。大気圏突入の任、よくやり遂げてくれた」  リムはシェスを称賛するも、口角は一切上がっていなかった。抑揚も無く、完全に建前であるとシェスは感じるも「あざッス」と返事をする。 「さて、少尉。君がここに配属になった理由は知っているな?」  いきなり本題に入られるが、シェスは手を下ろしながら質問に答える。 「サソリみたいな敵が出たからッスよね?」 「その通りだ。宇宙軍ではビーストマシンと呼ばれている。我が軍でも人型ではない兵器をビーストマシンと分類することに決定した。このビーストマシンによって近隣の主要基地、EⅦ制圧されている」  リムは淡々と説明する。だが、次の言葉にシェスは耳を疑った。 「尚、そこにはヘビーセンチュリオンも配備されていた」 「っ!?それホントッスか!?」  シェスが驚くのも無理はなかった。ヘビーセンチュリオンが配備されている主要基地は難攻不落とされていたのだ。 「嘘を言っても仕方ないだろう。ビーストマシンの情報も撤退した兵からのものだ」  リムが片手に持っていた電子タブレットを操作し、渡してくる。シェスはタブレットを受け取ると、そこにはサソリの簡単な情報が記されていた。内容はロウラーのマシンガンでは歯が立たないこと、ホバー移動で速度が高いこと、他に武装の種類等が記されていた。この内容からシェスは配属された理由を悟る。 「要はレーザー兵器を持ってる機体で対抗するってことッスね?」 「察しが良くて助かる」
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