第二章:孤独

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「レイアン中佐、さっき言ってたグラウンドシューターってなんスか?」  移動するエレベーターの中でシェスはレイアンに聞いてみる。するとレイアンは「お?」と何か驚いた声を出す。 「お前、階級が上でもファーストネームで呼ぶタイプか。なかなかレアだな」  聞いたこととは別の話をされ「はぁ…」とシェスは返す。しかし、感心した後にレイアンは問いかけに応じる。 「グラウンドシューターってのは簡単に言うとファクター用のローラースケートだ。正式には…脚部小型ブースターだったっけかな?シェスはローラースケートやったことあるか?」 「いや、無いッス。見たことあるぐらいで」 「なら、ちょいとばかし扱えるようになるのに時間がかかるかもだな。パオガン司令も言ってた通り相性ってか、使いこなせ無い奴はてんでダメだからよ」  レイアンが言い終えるとほぼ同時にエレベーターの扉が開く。その瞬間、気温の違いにシェスは眉をしかめる。 「まあどんなものなのかは今から見せるぜ。ちょうどディイスの使ってるSPにつけてるはずだ」  そのままレイアンはディイスのSPに向かって歩き始めた。シェスのSPは滑走路の中央に立ったままで、ディイスのSPは左端の格納庫前に立っている。  だが、ディイスの機体には両肩にミサイルポッドと、踵に見慣れない物が取り付けられている。ある程度近づいたところでレイアンが大きな声でディイスを呼んだ。ディイスはコックピットから頭を出して返事をする。
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