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クリクリと鈴口の先端を親指で弄られる動きに、紫月は嬌声を隠さんと唇を噛み締め、だがそれだけでは足りないのか、大袈裟な程に頭を揺さぶり続けた。やわらかな茶髪のミディアムショートを目の前の男の肌へとなすり付ける。何か他の音でかき消してでもいないと、抑え切れない淫らな声がとめられないのだ。
この欲情を早くどうにかして欲しい。
思い切り激しくなぶられてみたい気もする。
そう、もう疲れたんだ。帝斗を追い掛け、挨拶ひとつ交わすだけで一喜一憂し、挙句は仕事もうわの空で呆けていた自分。にも関わらず、突如差し出された甘美な誘いに驚きつつも心躍らせ、素直に欲情しきっている今の自分自身も信じ難い。憂鬱で自己嫌悪で、まるで這い出ることの叶わない泥沼にでも引きずり込まれてしまったかのようだ。
だからどうにでもして欲しい、目の前のこの男に弄ばれることで嫌悪感が拭えるならばそれでもいい。誰かにめちゃくちゃに乱してもらえたら――
「焔……ッ……あ…つっ……やべえから……」
「イきてえのか?」
「……んっ、んっ……はぁ……あっ……ちの部屋で……ここじゃマジでやべえ……」
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