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我慢出来ずに自らの意志で甘えるように縋り付いたその瞬間、至福と最悪の二つを同時に味わうこととなる。
「ダ……ッ、も……限界……! ……ッイ……く……っあ……!」
◇ ◇ ◇
はち切れんばかりに昇りつめた高まりを解放し、身体も頭の中も至福を迎えたその瞬間、無意識に涙がこぼれる程の快感に包まれた。それに同調するように、焔の大きな掌が余韻の最後まで絞り取るとでもいうように自身の熱を包み込む。
「待ってろ、今拭いてやっから」
「あ……あ……今、触……ったら……やべえ……っん……」
「余韻でまた感じちまうか?」
「……っん、ああ……」
そっと、まるで愛しい者を包み込むかのように肩先に添えられている掌が熱い。その大きな手で、背筋をもうひと撫でしてもらいたいような気にさえなる。ついでに首筋も、鎖骨も、耳元も、そのしっとりとした形のいい唇でついばん欲しい。そしてもう一度――今度は思い切り熱と熱とを絡み合わせてみたい、そんな気にさえさせられる。
「……焔っ……くそ……てめ……のせい……でこんな……」
「こんな――何だ?」
「こ……んな……っあ!」
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