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この男の差し出したトライアングルが形を崩し、いつか彼だけを追い掛け欲して番となる、そんな時が来るのだろうか。何の迷いもなく、どっぷりと心も身体も預け合って満たされる――そんな夢を望むべきなのか。
複雑な思いに戸惑いながらも、手を伸ばし、触れてみたくなる。
蒼い闇がやがて金色の朝の光を連れてくるように、心の底から欲するものに手を伸ばしたとしたら、いずれはそれが本当に欲しいものに取って代わるのだろうか。
隣で眠る焔の温もりを感じながら、紫月は再び訪れた睡魔に身を委ねた。
- FIN -
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