1452人が本棚に入れています
本棚に追加
不実
スマホに設定した目覚ましが鳴り出した。
止めて時間を確認すると、六時半だった。
今日こそは目玉焼きを焼くんだ。
ピーマンの肉詰めも温めなくちゃ。
お風呂の中で、楽しみだって笑顔で言ってくれたから。
…お風呂、一緒に入れて楽しかったな。
肩とか広くて二の腕もがっしりしてて、たくましくて、かっこよかった…。
それにしても…なんだか…今朝は寒いな…。
凍えそうなほどの寒さを感じて、慶太郎の腕の中に潜り込むとぴったりと寄り添った。
どんなにくっついても、寒くて寒くて仕方がない。
「……蓮?…どうした…?」
慶太郎が眠そうに目を開けた。
「あ、ごめん、起こしちゃった。…なんだか寒くて…」
慶太郎は蓮を抱きしめた。
「…もう少し寝たら?……てか、蓮、寒いの?めちゃくちゃ身体熱いよ」
慶太郎は起き上がると、赤い顔の蓮の額に手を置いた。
「蓮、熱あるよ」
そう言うと起き上がって、体温計を取りに寝室を出た。
最初のコメントを投稿しよう!