不実

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不実

スマホに設定した目覚ましが鳴り出した。 止めて時間を確認すると、六時半だった。 今日こそは目玉焼きを焼くんだ。 ピーマンの肉詰めも温めなくちゃ。 お風呂の中で、楽しみだって笑顔で言ってくれたから。 …お風呂、一緒に入れて楽しかったな。 肩とか広くて二の腕もがっしりしてて、たくましくて、かっこよかった…。 それにしても…なんだか…今朝は寒いな…。 凍えそうなほどの寒さを感じて、慶太郎の腕の中に潜り込むとぴったりと寄り添った。 どんなにくっついても、寒くて寒くて仕方がない。 「……蓮?…どうした…?」 慶太郎が眠そうに目を開けた。 「あ、ごめん、起こしちゃった。…なんだか寒くて…」 慶太郎は蓮を抱きしめた。 「…もう少し寝たら?……てか、蓮、寒いの?めちゃくちゃ身体熱いよ」 慶太郎は起き上がると、赤い顔の蓮の額に手を置いた。 「蓮、熱あるよ」 そう言うと起き上がって、体温計を取りに寝室を出た。
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