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薄ぼやけた意識の中で、何かがベッドに入ってきたのが分かった。
柔らかくて温かいものが、慶太郎にぴったりと寄り添った。
遠退きかけた意識を戻して、重たくなった瞼をこじ開けると、隣に蓮がいた。
「……蓮?…起きたの?」
身体の向きを変えると、慶太郎は蓮を抱きしめた。
「うん…。なんで、こっちで寝てるの?一緒に寝ないの?」
「よく寝てたから、ゆっくり眠った方がいいかと思って…」
「…お酒臭いよ…」
「蓮が寝ちゃったから、恭一たちのとこで飲んできたんだ。ごめん、臭い?やっぱり別で寝る?」
蓮はぎゅっと慶太郎に抱きついた。
「やだ、一緒がいい」
顔を上げると。
目を細めて慶太郎は蓮をじっと見つめていた。
蓮の中で鎮火しかけていた熱が、また、燻り始めた。
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