不実

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ー熱はどう? 会社には電話しておいたから、起きたら何か飲んで、動けそうだったら病院に行っておいで。 昼過ぎには帰るから、その後でも病院連れて行けるし、無理しないで辛かったら寝てろよ。 熱でぼんやりする頭に慶太郎の優しさが沁み渡るようだった。 ーピーマンの肉詰め、めちゃめちゃ美味しかったよ! 今度また作って。 ごちそうさま。 食べて、くれたんだ。 美味しかったって…嬉しい…良かった。 枕元の体温計を手にすると、脇に挟んだ。 熱は三十九度まで上がっていた。 病院行こう。 ふらふらと立ち上がると、ジーンズを探した。
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