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「友介、パジャマ脱衣所に置いておくから・・・・・・何してるの?」
「いや、探し物」
「探し物?」
俺が実家に帰った理由は、幼稚園からの幼なじみが関係していた。
「賢二が結婚するんだ」
「あら?そうなの!」
「賢二の写真をみんなで持ち寄って、何か企画しようと思って。結婚パーティーの時に」
「そう、素敵ね。あ、でもアルバムなら友介の部屋にも置いてあるわよ」
「え?そうなの」
俺は写真の類はリビングのクローゼットに置いてあるものだと思っていたのだが、母さんが俺に関する物としてまとめておいてくれたらしい。
「手伝おうか?」
「いや、大丈夫」
「そっちの棚に大体入れてあると思うから」
「うん、ありがとう」
整理整頓が得意な母さんらしく、クローゼットの中は整然としていた。
ひとまず手前の箱を取り出す。
「うわ、懐かしいな」
幼稚園の頃の写真や卒園アルバムなど、今になってみると懐かしいやら恥ずかしいやら複雑な感情を抱く思い出の一瞬がそこにあった。
幼いながらも面影がある賢二や友達の顔を見ながら、俺は自然と当時を振り返っていた。
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