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自分の部屋からリビングに行くと、父さんがいた。
いつもならすでに風呂に入っているはずだった。
子どもの頃は一緒に入っていた風呂に父さんと入らなくなったのは、大人に近づけた証のようにも思えていたけれど、あの頃の思い出を忘れてしまうきっかけだったのだとも今は感じられた。
「ただいま・・・・・・御無沙汰してます」
「あぁ・・・・・・おかえり、元気そうだな」
「お父さん、お風呂沸いてますよ」
「あぁ・・・・・・そうだな」
「友介も一緒に入ってきたら?」
「え・・・・・・あぁ」
よそよそしくなってしまい戸惑っている俺たちに、助け舟を出してくれる母さんは、あの頃も今も変わらぬ微笑みを浮かべていた。
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