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二ヶ月もかかって、ようやく飯田様のこだわりの一枚ができあがりました!
品を作業台に出すと、彼女は明るく破顔しました。
すぐさま手に取り、羽織ってくださいました。
「素敵! ありがとう、明日から頑張ろうって気になれるわ!」
「お気に召していただけてよかった」
本当に胸を撫で下ろしました。
「主役もらえたら、一番に報告に来るわね!」
「いいえ。それはきっと、テレビを観ていれば判るでしょうから大丈夫です」
私が言うと、彼女はハッとした顔で私を見ました。
「それより。お風呂を理想のお風呂にできたかどうかのご報告はください。その夢を叶えられるかの方が気になります」
彼女は驚いた表情から、挑戦的な目に変えて私を挑むように睨みつけます、
怒っているのではありません、新たな目標を立てられ、それに向かおうとしていらっしゃる目です。
「──判ったわ」
彼女はにやりと笑いました。
「主役が取れたら、真っ先に部屋を変える。足が伸ばせるジャグジー付きの湯船がある風呂のある家にね」
私は微笑み返しました。
きっと、あなたなら叶うでしょう。
何事にも一生懸命なあなたなら。
終
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