Mission 1 最悪の再会

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「古賀さん、こいつらに付き合ってると大酒飲みになっちゃうから、気を付けた方がいいよ」 「島田さん! 失礼なこと、言わないでくださいよ」 「そうですよ。私たちは健全に出会いを求めてるんですよ!」  圭の向かいに座っていた女性が、私と島田さんの間に強引に場所を取った。 「島田さんはずーーーっと気楽なお一人様を楽しんだらいいんですよ。私たちはずーーーっと一緒にいてくれる恋人を見つけるんですから」と言って、私の腕に身体を寄せる。  バニラの甘い香りがした。 「はいはい。気楽なおっさんは退散しますよ」と言うと、島田さんは立ち上がった。 「飲み過ぎるなよ」  そう言った島田さんの彼女を見る目が気になった。  あ、この二人……。 「私はメディアデザイン部の久保若葉。よろしくね」 「はい。よろしくお願いします」 「私と未希さんと奈津さんは合コン仲間なの。ね、伊織ちゃんて呼んでもいい? 私のことも名前で呼んでね」 「は……い」 「仲良くしよーね! あ、私より先に彼氏が出来ても苛めたりしないから、安心してね」  若菜さんは二十七歳で、二年前にテレビ局の編成局からSHIINAに転職してきた。  柔らかいパーマのかかった髪は腰まで長く、小顔で幼く見える彼女にとても似合っていた。  可愛い人だなぁ……。  私にはない女性らしさや愛嬌が、素直に可愛いと思った。 「恋人探しもいいけど、営業も忘れずにね」  いつの間にか、私の正面には蓮兄ではなく副社長が座っていた。 「綾香さんも行きませんか? 合コン」と、若葉さん。 「たまにはいいわね」と、副社長が笑った。 「ダメよ、若葉。綾香さんに根こそぎ持ってかれちゃう」  すかさず、西岡さんが言う。 「あら、人聞きの悪いこと言わないでよ。一番いい男一人でいいわ」  すごい自信……。  副社長は、腰まである黒髪と唇の左下に艶黒子が印象的な美人で、パンツスーツがスタイルの良さを際立たせている。  噂には聞いていたけど、この会社って色々ハードル高い……。  仕事とはいえ、自分がやけに場違いな気がして、私は眼鏡のグリップをグイッと上げた。
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