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Mission 24 夢見た未来
日曜日。
私と圭はSIINAの社長室で、記者発表に向けての準備に追われた。
蒼さんと蓮兄は朝から、記者発表について説明するために警察に行っていた。
明日、記者発表の直前に被害届を提出したら、木島悟之は逮捕される。
「木島の逮捕は避けられなかったな」
各社にFAXを送りながら、圭が呟いた。
「けど、これが木島の望んだ結末なんだよな」
「え?」
「木島は……やっぱりお前を愛してたんだよ」
圭が顔を上げ、私を見た。
「認められたかったのも、忘れられたくなかったのも、愛してたからだろう?」
執着と愛がイコールなら、そうなのかもしれないとは思っていた。けれど、その執着が憎しみからくるものならば、イコールじゃない。
「お前だって、身体を許すくらいは木島を好きだったんだろう?」
圭に問われると、複雑な気分だ。
『うん』とも『ううん』とも言いずらい。
「最後まで木島の逮捕を避けたいと願っていたのが、確かな証拠だ。木島が自分の犯罪の証拠を残していなかったら、お前が奴のPCを破壊した時点で、木島を逮捕する証拠も消えていたんだ。お前は、それが狙いだったんだろう?」
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