僕の出逢った不思議のはなし。

痣

　僕の悪い癖。

　忙しくなるといろいろなことに観察力がなくなる。

　そのせいなのかよくわからないけれど、僕の近くには気がつかないうちに不思議なことが付きまとっていることがよくあります。

　例えば、肩の痣。

　もう二、三週間、僕の左肩（肩甲骨の辺り）には青紫の大きな痣がある。
　この場合、病気とかだと嫌なので医者に行く。
　結果、ただの内出血。

　人騒がせな痣だ。

　もうひとつ、僕は最近、長野に行く用事があって長野に行ったのだけれど、それ以来、なぜか黒い影を街中でよく見かけます。

　大きさは全く人と同じくらい。
　形も人の形。
　何かをさがす様にしきりと周囲を見回し、きょろきょろとせわしなくしているのですが、どう考えても何かを認識するための目はなく、当てもなさそうにしているわけです。

　特に何があるわけでも、何をするわけでもないみたいだから、僕は今まで通り、気がつかないふりをしようと思っています。

　彼だか、彼女だかの探しているのは、どうやら僕ではないようなので。