第四章「え」

1/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/21

第四章「え」

(えき)まで一緒に帰る?」  放課後に横山優理子が声をかけてきてくれた。  僕達の高校では、選択制ではあるものの受験対策用の放課後の補講があった。高校三年生になり、部活を引退していた僕と横山優理子はいくつかの補講を履修していた。時々、同じ補講を受けた放課後は、二人で駅までの帰り道を一緒に歩いた。  二年生の時の裏庭での事件をきっかけに、僕たちは急速に仲良くなった。時々、二人で色々なことを話すようになった。「秘密の共有」という程のものではなかったけれど、泣いていた彼女の姿を見てしまった僕と、そんな姿を見られてしまった彼女の間に、二人だけしか知らない共通の記憶が形成されたことには違いなかった。そして、そのことは、二人の関係をクラスメイト以上の何かに発展させていた。
/21

最初のコメントを投稿しよう!