暗渠

子ども

　自分の下肢へ視線を向けようとした杳の顎を取り、口づける。小さな舌が、下の歯の奥で固まっていた。
　掬い上げ、吸い上げて自分の口中に招く。前歯で甘く噛み、しり込みしたところを舌で扱く。次第に、どちらのものとも分からない唾液で、唇の間から濡れた音が響き始める。
　見開かれていた杳の目はとろりと潤み、相川は杳の小さな性器と、自分の性器とをひとまとめに掴んだ。ひくんと肩が震え、杳の手が相川の肩につかまる。
　ゆっくりと上下に手を動かしながら、互いの性器の上でシャボンが泡立つ。
　ふ、ふ、と小さな鼻息が相川の顔に触れる。
　再び双丘に指を滑らせると、怯んだ舌が逃げそうになったが相川の唇が吸い付くと逃げ場を失って再び蕩けた。
　泡にまみれた指で膨らんだ肉環の縁を撫でる。そこはひくひくと震えながら、きゅっと硬く閉じようとする。指先で軽くたたく。吸い付くような感触。
　滑りに任せて、中指を爪の先ほど潜らせる。
　すぐに肉環が閉まり、拒絶された。

　呼吸に合わせて、再び指を潜らせる。

　柔らかい肉壷は相川の指を難なく飲み込む。
　ゆっくりゆっくり目指す場所を探して中指を埋める。

　子どもの肩が震え、相川の肩に爪が食い込む。
　舌で唇を舐めて辿り、下唇を前歯で甘く噛む。
　杳は怯えながら瞼を伏せる。子どもらしい密で長いまつげが、震えていた。

　「!!」

　探していた場所に指がたどりつくと、その睫毛がはばたくように広げられ丸い瞳が相川を困惑の目で見た。

　何？

　無音の声が表情となって相川に問う。

　「これも、きもちいい、だ」

　指を挟むしこりを柔らかく指で撫でる。
　その度に杳の体がびくんびくんと水揚げされた魚のように跳ねた。泡の滑りに手伝わせ指を二本に増やす。
　それを難なく受け入れるのが、杳の日常を物語っていた。