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小指の先が小さく輪を描いて穴がひしゃげる。その度に鋭い痛みが信号になって睾丸の後ろを突く。
断続的に腰が浮いてしまう刺激。
「んく、ん、」
口を解けば女みたいな声が漏れそうで鼻から息をする。
それでも快楽は抑えきれずに、鼻先で色ずく。
『マスタベイションではどこが一番感じますか』
同じスケッチブックを立てて置いたまま、レックは歪まされながら口を開いていく性器の先端を極めて近い距離で撮影していた。
陰茎全体がびく、びく、と震え、血管が浮き出た。
太いミミズのような血管は裏筋を巡り、亀頭環の下で見えなくなっている。
皮膚の下にもぐった血管を探るようにレックの指は奥を目指してゆるゆると円を描きながら押し込められる。
狭い器官はそれに悲鳴を上げる。みりみりと拡げられるたびに腰に、脳に、鳩尾裂かれるような痛みと侵入を望む疼きが身を焼く。
「や、め、」
『マスターベイションではどこが一番感じますか』
無機質な機械は感情を持たずに責め立てる。
人の痛みも狂いそうな快楽にも、同調も推し量ることもなくただ機械的に体を攻める。
「そこ、ソコだよ……」
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