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痛みとその先にある得体の知れないモノへ恐怖心に真中は観念して喉に引っかかるような息とともに吐き出す。
音もたてずに指先が尿道口から抜ける。
奥の方にまで入り込んでいると思っていった指はほんの爪先を含ませているに過ぎなかった。
睫毛の色が濃くなっている。レンズに移った顔は上気して涙目だ。
どう考えても自分の方が余程『犯される側』の顔をしていた。
『そことはどこですか』
「ひぐ、」
息を吸い込んだ瞬間、気味の悪い悲鳴じみた声が上がった。
無機質な目が容赦なく穿ってくる。
『そことはどこですか』
重ねて問うてくる文字に服従を強いられる。
どのような羞恥も、恥辱もこの目のためなら忍ばねばならないような心地にさせる。
「穴、だよ」
じっと見つめてくるカメラの視線に耐えかねて俯く。
その顔を追って無感情な目が覗き込んで首を傾げた。
全身が熱くなる。熱が迸る。容赦のない目。機械だから仕方ないとでも思わせるような眸。
「チンポの、穴……」
捨てるように吐き出して、羞恥に顔を背けた。
レックの指が顎を浚い否応なしにカメラの方に顔を向けさせる。眼球だけ反らして、羞恥に堪える。
レンズが照明の明かりを反射して光った。
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