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僕を見下ろす黒須が僕を踏みつけるようなあの生意気そうな顔で笑う。僕はこの笑顔に捕まったのだ。六年前の僕が知ったらまさかと思うだろう。
少年の成長を舐めていた頃の僕なら。黒須はきちんと僕との約束を守って会いに来てくれたのだ。
「……あっ! …あっ! …あっ! ……」
汗をかいた黒須の胸が背中に当たり、僕を守るように顔の横に黒須の腕がある。黒須は自分の体温で僕を包みながら、温もりの優しさとは反対に僕を攻める。久しぶりのセックスだとか、10も年上だとか、そんな僕の言い訳は聞いてくれない。
「……先生、まだ?」
耳元の声に僕の首筋がざわざわとそそけ立つ。黒須は早くはないが深い動きで僕を攻め立てていた。
僕は首を振る。
射精をしなくても十分気持ち良がっていることは伝わっているはずなのに、黒須は僕を追い立てる。
本当にイかなければ解放してもらえないのかもしれない。僕はそう思い始め、黒須を誘い込むように腰を反らし、僕の顔を覆うようにシーツの上に置かれた黒須の腕を掴んだ。
恥ずかしいからだ。
元生徒にこんなことを言うのは恥ずかしい。
でも僕は手を握りながらお願いしていた。
「……て……手で、……触って…………」
「……しょうがないなぁ……」
困った声を出しながら黒須が手で僕のものを握ると、僕の体は驚くほどビクリと反応した。
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