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「クッソゥ…ヤベェ!マジでヤべぇぞ?どうする?」
猛り、吠え合う“犬の如く”叫ぶ俺達。全員が一様に震えている。
血走った視界に広がる景色は、濃い緑にちょっと肌黄色が混ざった、
竹…竹!竹!竹!!の竹藪の中…
手元に携えた旧式のM16小銃を(72年、米軍がナム戦の頃に使ってた旧式品。)
まるでお守りみたいに抱きしめた“小隊長”が叫ぶ。
「軍曹(俺の事だ)早く、焼け!全部焼き払うんだ!!」
この防大上がりのエリート崩れがっ!?
今にも
「ママァン!」
とでも叫ぶか?オイ?てか、俺が一番叫びてぇ…
「母ちゃぁん!」
ってな!…いや、キャラ的に駄目だ。気合でどうにかこらえる。
冷静に、精一杯冷静な言葉使い(↓下記参照)で答えた。
「馬鹿言いなさんな。大将。手榴弾に!簡易燃料パック、全部投げて、品切れやないすか?」
「なら、どうする?このまま、奴等に“突き殺される”かっ!?早くしないと…」
そこまで喋る小隊長と俺の頬を、風がそよぎ始める。木々や枝に葉っぱの囀りの音が…
辺りを…てか、俺達を包み始めていく。
「二人共…来るぞ…」
無口がトレードマーク、腕は一端の“アカ”が隣に立ち、
愛用の散弾銃M37イサカの安全装置を外す。その動きに、小隊長が絶叫のように呼応する。
「軍曹、撃て。撃つんだ!」
言われるまでもねぇ…俺はM16を構え、先程までは、只の竹藪、今は両手を槍のように
尖らせ、こちらに突進してくる“動く竹藪”共に高速ライフルの弾丸をバラ撒き始めた…
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