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「ハッハーァ!死ね!死ね!」
三白眼を爛々と輝かせ、今義理が持つMP5短機関銃を、
逃げ惑うモノ達に向けて発射していく。部下達も同様にM16小銃を腰だめに構え、
発砲する。
口径の違う銃から発射される弾丸が、彼等の目や足、腕を弾きとばし、
地面に、虐殺の山を築いていく。どうやら弾が効く連中のようだ。
これなら俺達先守でも対処できる。今義理もそれがわかったのだろう。
部下に大型の62式軽機関銃を用意させての発砲。手製のナパーム弾も投擲し、
更に攻撃をエスカレートさせていく。
村に住むモノ達の悲鳴、怒号、爆発に銃声が山の中に反響する。後方待機の俺達は黙って
それを見ているだけだ。
「ヒドイな…」
入ったばかりの小隊長が顔を背ける。面倒見のいい“佐藤”が肩に手を置き、
すかさずのフォローを入れた。
「仕方ないっすよ、小隊長。誰かがやらなきゃいけない仕事です。この“平静の世”を
保つためです。なぁ、軍曹。」
振られた俺は頷きながら、言葉を返す。
「確かにな。しかし、佐藤、アルファの奴等、少し派手だぞ?あんな、ベレー帽まで被って、
まるで死神気取りだ?」
喋る俺達の目の前で、今義理が笑い声を上げながら、村に突撃した。手には部下から
引っ手繰った62式を持ち、燃え盛る家屋の中に銃弾を浴びせ、中に隠れたモノ達を
掃討していく。
「あの娘は霊障で家族を失った。まだ未成年のガキだが、その恨みだけで、先守になり、
戦い、指揮官の地位まで上り詰めたらしい。」
俺の視線を察したアカが隣に立ち、説明してくれる。しかし、こうなってくると、どっちが
霊障で妖かはわからなくなってきたな。
やがて悲鳴と銃声が止み、広場に戻ってきたアルファの連中は、半分死にかけのモノ達を散々、引き回し、嬲り、思う存分に蹂躙した後(生きてる奴の皮膚を少しづつ裂く者、
小便をかける者、ETC、ETC、これ以上、書く必要はないだろう…)
銃弾を浴びせられ、物言わぬ骸になった。死体を狂ったように散々蹴り回した今義理が、
最後にこちらを振り向き、後始末を任せたとでも言うように、俺達に笑いかけた…
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