BAMBOO WARS~サキモリ怪異交戦記録~

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「殺さない?ふふっ、そうか、殺さないか?」 少女が見た目に反し、大人びた口調で応じる。それに伴い、額から一筋の血が流れていく。 不味いな… 「手当てを…」 思わず伸ばした手の前で、少女が歯を剥き出しにして、叫ぶ。 「これだけ殺せば、満足か?もう殺さない?我が一族を? 竹取の時代から平穏を紡ぐ我らを!?何をした?我らが何をした? 大和の民が森を開き、我らの住処を奪った時、こっちは黙って奥に引っ込んだ。 痩せた土地を切り開き、ここまで開墾した。たまに迷い込んだお主らの仲間を 我らは返してやった。 それなのに、こないだ迷い込んだモノは我らを見るなり、火の棒を使った。 “化け物” と叫んでな。我らはそいつを殺した。当然だ。すると大勢やってきた。我らは戦い、みな 殺した。当然だ。家族、一族を守るための権利だ。なのに最後は主らが来た。 大勢来て、我らを火の棒で殺した。皆、殺した。何故だ? 我らの何がいけない?主らと少し違うからか?それとも我らと同じようなモノ達が 主らに何かをしたのか?何故だ?答えろ?答えて見ろ?大和の兵よ。」 「悪い、全部だ。」 静かに引き金を引いた。少女の頭に穴が空く。彼女は頭後ろに花びらのような血しぶきを 綺麗に広げ、その場に転がった。 「竹取の姫様、撃っちまったか?」 「ああ、撃った。」 横に並んだ佐藤の声に無表情で頷く。コイツは何でもあだ名をつけたがるが、今回は的確だ。 竹に守られた一族のお姫様…さて、中隊長への言い訳はどうしようか? だが、他の仲間に、化け物とはいえ“子供殺し”を味わせるより、始末をつけた方がいい。 汚れなら任せろだ。そう考える俺に、佐藤の隣に来たアカが 妙な形をとる少女の”手の構え”を指さす。  
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