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達也はしばらくこの街で身を隠し、なるべく人の目に触れないように生きていたい。
「そりゃ…確かにそうだけど。でも、私はバレる可能性は無いでしょ?だって私と達っちゃんが繋がってるなんて誰も知らないんだし」
どうしても表舞台に出たいのか…参ったなこりゃ。
「じゃあ、こうしよう。ナツは表舞台に出るならオレはナツとの生活を止めてここで1人で暮らす。それでいいと言うなら表舞台に出ればいいさ」
ナツは一瞬表情を曇らせた。
「何で?何で達っちゃんと別々に暮らさなきゃなんないの?ねぇ?もう達っちゃんも私も顔を変えたんだよ?分からないって絶対に」
だが、達也は警戒心を怠らない。いつ何があるか分からないかもしれない。その為にこの場所を選び、潜伏しているのだから。
「…あのな、ナツ。オレたちはあの弁護士を殺した。立派な殺人犯だ。それとな、オレはまだ始末するヤツが二人いるんだよ」
また殺すの?ナツは弁護士を殺害した忌まわしき出来事が脳裏に焼き付いてる。
「達っちゃん、もう止めて!もう人を殺すのなんて止めようよ…それにもしかしたら、その前に達っちゃんが殺されるかもしれないじゃん!お願いだからもう止めよう…ね?」
「なぁ、ナツ。1人殺すのも二人殺すのも大して変わらないんだよ…もう既に1人殺してるんだ、オレたちは」
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