母という存在

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母親が言うには、父親と兄は都心から離れた郊外で暮らし、兄は成績優秀で来年は有名大学を受けるという事らしい。 そして、何故オレだけを引き取ったのかという理由は、オレは父親と母親の間に生まれた子供ではないという事を聞かされた。 何だそれは?父親は誰なのか?あまりのショックに問い詰めても中々返事が返ってこなかった。 誰の息子か分からないオレは一体何者なのか?答えをはぐらかす母親に業を煮やしたオレは父親探しに出るといって荷物をまとめてこの家を出ようとした。 だが母親に止められ、ずっとここにいて欲しいと懇願された。じゃあ、父親は一体だれなんだ? それぐらい知る権利はあるだろうと問い詰めた。 観念した母親は、パトロンと喚ばれた男との間に生まれた子供だと言った。 確かにおかしいとおもうフシはあった。 それはオレだけが左利きだという事だからだ。 母親が右利きで、別れた父親と兄も右利きだという。オレだけが左利きだが、左利きとは隔世遺伝にもなるのだが、どちらの祖父母にも左利きはいない。 そのパトロンはオレが中3に上がって間もなく病に倒れ、この世を去った。 パトロンには身寄りがなく、全財産は母親が受け継ぐ事となり、ほんの少し前までオンボロアパートに住んでいたオレたちが、オートロックのマンションに住むようになったほどの遺産を受け継いだ、と母親は答えた。 そしてオレには今まで不憫な思いをさせて申し訳ない、という意味で何不自由なく買い与えてくれた。 そこまでならよくありがちなパターンだが、母親の性の対象にもなっていたのだから、これはおかしい。 毎朝オレの布団に潜り込み、朝勃ちしているオレの一物を咥えて反応を見て喜んでいる。
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