母という存在

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母という存在

母親が求めてきても、オレは拒む事はしなかった。 だが、オレから母親を求める事は一切しなかった。 母親からしてみれば、オレは大事な息子であると同時に性の玩具という扱いに過ぎなかった。 そして母親と過ごす時間が多くなり、一切家事をしなかった母親が掃除、洗濯、炊事までやるようになった。今更おふくろの味を求めるつもりは無いが、母親の作る料理はどれも美味かった。 夜の店は他の人に任せ、たまに顔を出す程度になった為、母親は一日中家にいる機会が多くなっていた。 今までは多忙で母親に聞きたい事もあったが、家にいる機会が多くなり、色々と話す機会があったので、オレは前々から聞きたがっていた別れた父親と兄は今、どこで何をしているのかという事、何故別れるときに兄じゃなく、オレを引き取ったのかという事、他にも色々あったが、この2つだけは知りたかった。
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