神様の言う通り

13/34
前へ
/34ページ
次へ
 将とは、五年前に会った時以来で、正直、それほど親しかったわけでもない。その時だって、顔を合わせて軽く挨拶をしただけで、俺の中での彼自身の印象は薄かった。  それなのに、今、目の前で俺の身体に触れているヤツの、下から見上げてくる眼差しの強さは何なのだろう。  身体のあちこちで、チクリ、チクリという小さな痛みと、熱をもった舌で舐められる感触に嫌悪感でゾワゾワと怖気が走る。  再び、将の低い声が聞こえてくる。 「……あの時、俺が奪ってれば……クソッ……蛇神にやるくらいなら、先に俺が抱いてやるっ」 「っ!?んんんっ!?」   将の手が、いきなり俺のボクサーパンツに手を伸ばし、一気に下げる。将が俺の口を押えていた手を離した。 「っはぁ、ま、将さっ、止めてくださいっ」 「黙れっ」  今度は俺の口の中に、何か布製のものを突っ込もうとする。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

597人が本棚に入れています
本棚に追加