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轟く声とともに、五年前のあの日の記憶が蘇る。
すっかり忘れていた出来事をも思い出させた。
その日も、やはり山々が真っ赤に燃えるような紅葉が美しかった。
親族の俺と同年代くらいの子供が集まって、何か儀式があるとかで、この神社の神殿に一晩、籠らされていた。
籠る、といっても、実際に何かやらされるわけでもなく、その部屋でそれぞれに携帯ゲームや漫画や本を読んで時間をつぶしていた。
理由も聞かされず、否応もなしに連れてこられた。
素直に言うことを聞いたのは、たぶん、新しいゲーム機でも買ってやるとでも言われたのかもしれない。
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