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答えず、飲み口に(どこから持ってきたのか)ストローを挿して、一口。ペストマスクが邪魔くさい。
「さあ……。ワタシがどう見えるかなんてアナタ次第ですよ」
「名前は?」
「必要ありません。こんな存在を具現化して何になります?」
相手は両手を広げてみせた。
私はチューハイをぐびぐびと飲んだ。熱い、ライムが喉を通ってゆく。
そうむきになった私の耳元で、囁くようにこう告げたのだ。
「思い出したのでしょう?」
と。
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